今回インタビューさせて頂いた専門家の先生
東京ミッドタウンクリニック 特別診察室長/外来診察部長 日本抗加齢医学会理事・内科医師
渡邉 美和子 先生 (Miwako Watanabe)
日本抗加齢医学会、日本内分泌学会等医学学会での医療従事者を対象とした食啓発をはじめ、企業との健康関連事業への取組み等、独自の食指導「安心で美味しい食の医療プロジェクト」に力を入れる。
第二回目となる今回は、内科医 渡邉先生に、ライフスタイルサポートにサプリメントをどう活用するか、またその際の注意点について教えて頂きました。
ライフスタイルサポートでのサプリメントの活用のしかた
サプリメントを活用することがライフスタイルをサポートすることに繋がる
さっそくですが、生活習慣の中でサプリメントを摂取することはどのような位置づけになるのでしょうか?
渡邉先生:
生活習慣の主軸は、「食」「運動」「睡眠」です。
サプリメントは、この中で「食」部分を強力にサポートします。
正しい食習慣が大事なのですが、現代社会では忙しい方も多く、食べ過ぎてはいけないとか我慢を強いることが多いので、便利なサプリメントは食習慣を見直すきっかけにもなると思います。
そういう利便性の面で、サプリメントは活用の価値があると考えています。
しかし、サプリメントを摂っていれば、食事をおろそかにしていいのかというとそうではなく、基本的には正しい食習慣が大切になります。
食生活を補うという意味で、サプリメントを活用するということですね!
サプリメントを選ぶ時に、表示にも気をつけたほうがいいと伺ったのですが、詳しく教えて頂けますか?
渡邉先生:
サプリメントは食品に分類されるので、裏のラベルを見ていただくことが重要です。
ラベルには含まれている含有量が多い順に成分が書いてあります。
サプリメントによっては注目の栄養成分をパッケージに謳っているのに、実はほとんど入っていなくて、デンプンやゼラチンが最初に書いてあることがあります。加工物質の方が含有量が多いものもありますので、注意が必要です。
また、その方に合ったサプリメントを摂取する必要があります。
体に良かれと思って摂った成分がかえって悪くなるということもあります。
ご自身に何が足りないのか、サプリメントで補う必要があるのかを考える必要があります。
最小量のサプリメントで最大の効果を目指すということが非常に大切です。
なるほど。では、自分に合ったサプリメントはどのように選べば良いのでしょうか?
渡邉先生:
サプリメントを選ぶ際は、次の7項目に気をつける必要があります。
① 持病がないか
非常に大切なポイントになります。特に肝臓障害・腎臓障害がないか、の確認は非常に重要です。
② 服薬中の薬剤との飲み合わせに問題がないか
主治医からお薬が出ている場合、飲み合わせに注意しなければいけないものがたくさんあります。
主治医が知らないところで、サプリメントが余分に摂取されるとかえって悪いことが起きることもありえます。
服用中のお薬があり、サプリメントを飲むことを検討されている場合は、主治医にご相談されるのが良いと思います。
③ 過剰摂取によって害になる成分がないか
成分が過剰摂取になると仇になる場合もあります。
ある程度サプリメントについて知識を持って頂き、理解して摂取することが大切です。
④ 生産過程がきちんと管理されているか
最近では様々なサプリメントが販売されています。
今から摂取しようとしているサプリメントがどのように製造され、管理されているかも選ぶ上で重要なポイントになってきます。
その他にも
⑤ 含有量、肝心の成分がきちんとした量含まれているか
⑥ 成分自体の純度
⑦ 適正価格であるか
という点もサプリメント選びにおいて考えて頂くと良いと思います。
サプリメントは私たちが扱う医薬品と違って、規制がそれほど厳しくありません。
品質の高いものを選んでいただきたいと考えています。
まとめ:
● 利便性の面でサプリメントは活用の価値がある
● 正しい知識をもってサプリメントを選ぶことが大切である
● サプリメントの上手な活用で、生活習慣改善のサポートへ繋げる
渡邉先生、インタビューありがとうございました!